ゼロからさきへ

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コミュ力は作れる:好意を伝えるには何割のポジティブな要素が必要?

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「お仕事何されてるんですか?」

ときかれてスッと答えられる人に憧れます。

 
私は真面目に応えようとすると 

「歌ったり、レコーディングの進行をしたり、合唱指導をしたり、マナーのお教室でアシスタントをしたり、ときには講師も務めます。残りの時間はアルバイトで編集しています」 

となります。

 
 

長い!

し、突っ込みどころ満載!

しかも、これで全てではありません。

 

このなかで特に時間を掛けて説明することになるのは「講師をしている」の部分です。 

そう、私は「お話の仕方講師」という肩書きを持っているのです。

 
 

「生き物はネガティブな要素に敏感」という原理原則

そこでお伝えしている内容を一言に凝縮するなら「生き物はネガティブな要素に敏感」ということです。

他に「お相手は何も知らないと思いましょう」も捨てがたいですが…… 

繰り返しますが、「生き物はネガティブな要素に敏感」です。

これを裏返すと「好感を伝えるのは非常に難しい」ということです。

 それを裏付けるこんな実験があります。

 

合成写真を用いた実験:好意を伝えるには何割のポジティブな要素が必要?

ある一人の方のポジティブな表情(笑顔)の写真とネガティブな表情の写真を撮りました。

その2枚を合成技術を使い、さまざまな割合で合成した写真を作成します。

ポジティブ100%・ネガティブ0%
ポジティブ90%・ネガティブ10%
ポジティブ80%・ネガティブ20%
       :
       :
ポジティブ0%・ネガティブ100% というように。

被験者を集め、それぞれの写真についてポジティブな表情と感じたかネガティブな表情と感じたかをアンケートします。

そうするとポジティブな表情とネガティブ表情の境はどの割合の写真にくるのだろうか。

という実験です。

 

流れからお察しの通り、ポジティブが多めの割合が導き出されます。

「ポジティブ70%・ネガティブ30%」

ここが境なのだそうです。

ここは、ポジティブと感じる人とネガティブと感じる人が半分ずついる状態です。

ということは、確実にポジティブな感情を伝えようと思ったら、ポジティブを7割超えに、ネガティブを3割未満にしなくてはならないということです。 

 

これは表情に関する実験ですし、合成写真であって実際の表情ではありません。ですから割合を把握することの意味は薄いです。

ただ、「人はネガティブな要素に敏感で、ポジティブな感情を伝えるのは難しい」ということは心に留めておいてください。

 

人は今も危機察知能力をOFFにはしていない

こうして人がネガティブな要素に敏感なのは、その進化の過程に起因するのではないかといわれています。

巨視的に見ると人はちょっと前まで「今、生きるか死ぬか」の世界で生きていました。

今、あなたは「たった今死ぬかもしれない」と思って生きてはいないでしょう。「明日はたくさん食べ物見つけられるかな?」などと思いながら眠りにつくわけではないでしょう。

「明日、早起きするの嫌だな」とか、明日があること前提に物事を考えていると思います。

 

そんな生命の危機が肌をかすめない生き方に、人はまだ慣れていません

 

表層的には「生命の危機」について考えていなくても、深部にはいまだに危機察知能力が染み付いています

その敏感なセンサーに触れないようにすることが「初対面の方にも好意を伝える」ためのポイントです。

 

好意を伝えるのは難しい。だから「癖」を排除しよう

このセンサーに触れやすいのが「癖」です。

お相手に見慣れない(一般的でない)動作があれば、その動作の背景を読み取ろうとするのが人間です。

それはときに無意識に行われ、「なんか落ち着かないな」と理由のわからぬ微細なストレスに繋がることがあります。

 

これは「初対面の方に好意を伝える」ための障害となってしまいます。

好意を伝えるにはノイズの少ない状態でクリアに示すのが鉄則なのです。

 

私のお話の仕方講座ではこの「好意を伝えるのは難しいから、癖を排除しよう!」を軸にアイコンタクトや笑顔・お話のスピードなどについてお伝えしています。

 

 

ーーつづく