コミュ力は作れる:目線を逸らすことで好意を伝えるアイコンタクトがある!?
アイコンタクトは「お相手の目を見ること」って思考停止してませんか?
ゆとり世代・さとり世代と呼ばれる若者は、「検索する世代」と言い換えられると思います。
PCや携帯が身近にあって、多くの情報に触れながら生きてきた世代。
豆知識や雑学から世間の闇や大人の嘘まで多くのことを知っています。
情報の仕入れ元は、それまでの世代が本やテレビが主だったのに対し、ゆとり世代・さとり世代はネット上の口コミや個人ブログ・twitterなどにまで広がりました。信憑性の薄い情報・深度の浅い情報を参考にする割合が増えました。
この点、少し悲しいことも起こっています。
深度をそこまで深めないうちに、そのことについての探求を終了してしまう。
アイコンタクトも、そんな信憑性が薄かったり深度が浅かったりする情報だけで捉えてしまっているもののひとつのように感じます。
アイコンタクトといえば
・好意を伝えるため
・誠実さを伝えるため
・相手の瞳を見つめる
・視線を逸らしてはいけない
と考えてはいませんか?
これはアイコンタクトに関する正しい情報です。ただし、断片的で本質を捉えているとはいえません。
そして、ときどき残念なアイコンタクトを使っているなという方をお見かけします。
今回は「好意を伝えるアイコンタクトの作り方」についてお伝えします。
アイコンタクトは好意を伝えるだけじゃない
冒頭の台詞を繰り返しますが、
アイコンタクトは「お相手の目を見ること」って思っていませんか?
これは、アイコンタクトは好意を伝えるものという前提があっての言葉だと思います。まずは、その役割を確認しましょう。
アイコンタクトには大別すると3つの役割があるといわれています。
・好意を伝えること
・敵対を示すこと
・サイン動作(※)
(※)サイン動作とは、
・遠くにお相手を見つけたときに、声を掛けるより前にまず目を合わせて、お互いの存在を確認しあう
・「話しかけていいですか?」という合図としてお相手の目を見る
・会話中に「次、あなたが話してね」とフィードバックを求めるために目を合わせる
など言葉に変わるような意味を持った動作のことです。
人は目でコミュニケーションしやすいように進化した
「目は口ほどにものを言う」というのは正にその通りで、特に生きることと対人コミュニケーションが強く結びついている「人間」は目でのコミュニケーションが取りやすいように進化してきました。
霊長類で白目がこんなに大きいのは人間だけなのです。そうして白目を大きくすることで、どこを見ているかをはっきり示しています。
目線を逸らすことで好意を伝えるアイコンタクトがある!?
上記3つのアイコンタクトのうち混同されやすい「好意を伝えるアイコンタクト」と「敵対を示すアイコンタクト」についてお伝えします。
まずは分かりやすい「敵対を示すアイコンタクト」について。
「野生動物と目が合ったらこちらから視線を逸らしてはいけない」と耳にしたことはありませんか?
この理由は、先に目を逸らすことは「あなたより弱いです」という表明になってしまうからといわれています。
お互いに凝視している状態というのは敵対を示している状態なのです。
前回の記事の内容に立ち返りましょう。
ここでお伝えしたのは「好意を伝えるのは難しい」ということでした。
これがアイコンタクトにも当てはまります。
もちろん、好意を伝えるアイコンタクトにおいてもお相手の瞳を見ることは大切なのですが、「見つめ続ける」という動作は「敵対を示すアイコンタクト」と捉えられてしまうのです。
この誤解を避けるために人が自然と行う動作があります。
「眉上げ」や「目礼」や「お辞儀」です。視線を合わせた後にあえて一度視線を外すことで「敵対していませんよ」ということを示しているのです。
合言葉は「3:7」と「ふわふわ感」
このように、お相手を見つめすぎてしまうとお相手にプレッシャーを与えてしまうので、バランスを取りましょう。
このバランスをとることが好意を伝えるアイコンタクトの特徴です。
バランスの取り方はTPOによります。
お相手との関係性・その場の雰囲気・物理的な距離感・話題・お話の進み具合、いろいろなものに左右されます。
お相手の瞳を見たり、瞳からは少し視線を外したりをTPOによって使い分けましょう。
……といっても難しいと思いますので、目安をお伝えします。
目安は「3:7」です。
お相手と一緒にいる時間のうち、3はお相手の瞳を見ますが、7は瞳ではなくおでこや眉間・頬・鼻のあたりを見るようにしましょう。
お相手が身振りを交えて話してらっしゃるなら、その手や腕を見ることもポイントです。
また、3はお相手の瞳を見るといっても、その見方にもポイントがあります。
10秒見つめ続けたらそれはもう長過ぎます。視線は1点集中でズラさないのではなく、瞳のあたりをふわふわと漂わせましょう。
この「3:7」と「ふわふわ感」を、ぜひ取り入れてみてください。